« 谷川俊太郎さん+賢作さんを迎えたロバライブ | トップページ | オリバー・ストーンが語る「もうひとつのアメリカ史」 »

2013/07/15

BSフジ・プライムニュース「待機児童ゼロを実現」?

5/15放送・BSフジ・プライムニュース「待機児童ゼロを実現 横浜市長」で・林文子横浜市長と、ロバの音楽座結成以来の知人である共励保育園の長田安司理事長が、生番組で約1時間半討論をされた。安倍内閣までが「横浜方式に続け」と言っている中、全面的にそれで良いのかと異を唱える形となった。
確かに保育園に入れられない子供たちを持つ全国のお母さんにとって横浜は快挙であった。
企業家の出である林市長は、とにかく法制度以上に現実的な方法を取り、女性が働きやすい環境をいち早く作るべきと言うが、長田さんは特に0〜3歳までの小さな子が簡単に親から離れて、長時間保育園に預けられるそのこと自体を問題視している。
諸外国の事情と違って、日本は公務員でもない限り3年も子育て休暇を取れない。安倍内閣は3年間の有給産休を打ち出してはいるものの(これは評価できるが)、むしろ日本の企業自体がそれを許さない。ただでさえ女性の管理職の少ない日本に、働きたい女性には向かない国家の構造となっている。
子どもを産んだら早く預けて長く時間をかけて働きたい。そうしなければ生活もできない。キャリアや技術者であればなおさらのこと。だがよく考えてみると、0〜3歳のこの大事な時期に十分な愛情を注げば、その情報量の分だけ愛情豊かな人格が形成される。英才や知育教育までする必要は無いと思うが、花に水や日光を上手に与えるような感覚で子供たちの感性は育っていく。我々(ロバ)も0〜3歳のコンサートを良くやるから、この時期、音楽を聴かせ得るとこがどれだけの心の栄養素になっているかよく解っている。
逆にこの時期に親の手から離れた時間が長いほど子どもにとってストレスで、情緒不安定であり非行に走るケースが多くなるのは、学会の論文を持ち出すまでもない。

昔は子どもが多くても核家族でもないし、近所の付き合いも多く、結構社会の中の役割の流れがあり、保育園や幼稚園がそんなに無く経済的に大変な時代でも上手くやって行けた。今、都会は核家族で、個人主義で、隣が何をする人か解らない場合も多い。
僕は今回の議論を見ていて、今の社会のあり方、人間関係、仕事中心の生き方、これらの中に人が忘れてきた多くのものがあり、その忘れ物の先に子供たちが置き去りにされている感がある。
自民党も「日本を取り戻す」というなら、この事自体を取り戻して欲しい。まあもちろん何年も積み重ねたそれぞれの人の生き方に対して強制力などあるはずが無いが、少しでもそんな視点に気づいてもらうような働きかけは出来るだろう。
産休を含めて、ここに良い意味でのお金をかけることで、感性の優れた子供たちを多く輩出し、未来を明るくする事となるはずだ。これこそ大いなる国益では無いのか。

(長田さん。話は本題から少しずれてしまったかも知れませんが、映像を見せてもらった僕の率直な感想です。ありがとうございました。)

長田さんのBSフジ・プライムニュースに関するブログページはこちらです。
Taikijidou_2

|

« 谷川俊太郎さん+賢作さんを迎えたロバライブ | トップページ | オリバー・ストーンが語る「もうひとつのアメリカ史」 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。