経済・政治・国際

2014/07/03

安倍政権の本音

安倍政権は「戦争をしたい」というより「軍産複合体」を充実させたいのでは、と思う。

「きな臭さ」を増せば増すほど優れた武器を作らねばならない。ちょうどアメリカの銃を持たねばならない感覚と同じで、銃をなくすどころか護身のため優れた銃を一人一人が持つしかない。アメリカはこれで経済が支えられる。この感覚が日本まで浸食してきたと言える。

申し合わせたように、北朝鮮も応援のミサイルを撃ったりする。集団で身を守ろうと呼びかけ武器を売りつける。すでに武器輸出撤廃でお膳立ては整っている。経済的リスクの多い戦争を本気でする覚悟はないが、武器輸出三原則の無い時代の朝鮮戦争、ベトナム戦争を脇で支援しながら復興した日本はその経済効果を知っている。原発と合わせて、日本の経済を救うにはこれしかないとやっているような気がする。

だから原発のリスクも顧みないで核開発を売り込むのと同じように、戦争のリスクを顧みないで経済効果のために今回の選択をしたのだと思う。国の借金、年金、全てを解決する唯一の方法だと思っているだろう。

我々は原発のリスクと同様、経済のための戦争のリスクには耐えられない。

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2013/12/30

戦争はなくならない

戦争はなくならない。戦争は必ず起こる。
そう思わせておいて、局部戦で適度な紛争を起こし、「備えあれば」と消火器のように武器を売る。
世界中が軍備を捨てて農業を進化させれば、本当は飢えた人々や難民を出さずに済む。
そんなことは百も承知で武器を売り、紛争の種をまく。
人類が不平等で出来ていないと困る人たちが居るからだ。
ハンバーガー1個を作る水とエネルギーで何千人もの子どもの命を救えるというデータもある。
世界は不平等に出来ているからこそ、我々は人間らしい生活をするという事になる。

外交の基本は正しいことを主張するのではなく「相手の立場になって考える」ことだ。
イスラム教の友だちの前で豚骨ラーメンを「美味い、君もどう?」と食べれば、友だちは不愉快になるだろう。
今最も「相手の立場」を考えたいのは中国でも韓国でもなく、日本の総理だ。
元々性善説を採る僕は、私利私欲でここまでの動きをしているとは思えない。
国民を豊かにしたい、護りたい、毅然と主張したい、その事は解らないでもない。
ただ今の方法論は決して望む方向には行かないと、僕だけでなく多くの国民が懸念している。
なぜここまで原子力に拘るか、なぜ沖縄を軍事拠点から外せないか、立場を解って論点を絞って反対しなければ、結局お金で解決されてしまう。
ここは首相を完全論破できるだけの代案を作り突きつけなければ、いくら喚いても覆らない。もちろん黙っていると何も伝わらないが。
「立場」を解らず正面から噛みつくと、みのさんや猪瀨氏のように別件で潰されてしまうこともある。(日本にも工作員が居るのかなあ)

武器や原子力技術を売ったり、軍事費に多額の投資をすることが、最終的にいかに国益にならないかを証明すれば、政府も鬼ではないし、米国より利益の恩恵が少ない日本ならばこそ方針変更は不可能ではない。
日本なんていくら軍備を持って護っても、セキュリティの薄い中、数人の原子力発電所自爆テロで簡単に国家機能を失ってしまう。
問題は米国だ。「米国の国益になることしかやらない」とはっきり宣言している国が方針転換するには百年かかるかもしれない。軍産複合体もCIAも目を光らせている。
それでも忘れてはならない。米国も日本も議会政治の中で、選挙によって改革できる国であることを。
植民地時代や人種差別がおかしいと思われたのもほんの少し前の事だから。

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無関心ではいけない。まだまだ人間は精神的に進化しなければ。

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2013/12/03

国境・テロ・汚染水漏れ

最近特に感じていること
★国境★
その昔、国境なんて存在しなかった。
国というものが出来てからも、せいぜい「この川よりこっちが俺の国」とか「峠の向こうはよその国」くらいで、はっきりした地図もなければ線を引いているわけでもなかった。
国境があるから争いが絶えない。そもそも国境なんて人間以外の誰が気にする?
動物も植物も地球自体も、国境でもめることは無い。
国境などアバウトで良い。奥深く入り込めばそれだけその国の濃い文化に出会えるだけだ。国境近くは中立区域であっても良い。混血部分と思っても良い。
曖昧は大事だ。角栄も周恩来も曖昧にしてきたから争いにならなかった。
国境が無くなっても文化が無くなることもない。日本は実際に数十の国の集合体だが、一つの日本国になっても地方の色は失われないことは言うまでもない。
この国益となるはずの国境を守るために、とてつもない量の国益を失う。
★テロ★
石破茂幹事長は特定秘密保護法案に反対する市民デモは、いみじくも「テロ行為とあまり変わらない」と言った。
これは「なんでテロが起こるか」を考えてみると的外れな答えではない。アメリカのようにどうにも覆らない力を持った権力の横暴に対して、弱者の残された唯一の手段となる。(オリバー・ストーンの「もう一つのアメリカ史」をご覧下あれ)
もともと公平な王道を行く国であればそういう弱者の立場を見据えた采配をするであろうから、そういう国は権力争いや革命が起こっても、テロなど起こり得ない。
特定秘密保護法案に対するデモは権力の横暴に対する、残された数少ない手段だ。要するに日本はテロが起きてもおかしくないくらいに、政治が横暴を極めてきたと言うことだ。「テロ行為」と認めたことは、このことを体制側から認めたことになる。撤回してももう遅いよ。
★汚染水漏れ★
「完全にコントロールされている」はずの汚染水漏れは、一向にコントロールされる気配は無い。
もともと原始汚染廃棄物は色んな海に捨てられていた。少し前の世界地図にはそんなことが良く書かれていた記憶がある。
一部のソマリア人がなぜ海賊になったかと言えば、原始汚染廃棄物をそこに捨てるから猟ができなくなったからと聞いた事がある。
そんなことを日常茶飯事にやってきた今の政党は、実は汚染水なんて気にもしていない。本当に身体に悪いのかと思っている人も多いに違いない。
原発再稼働をしたり、日本の原子力技術を売ったり、こんな事が出来るのは「たいした事じゃない」としか思っていないからだ。
僕は原子廃棄物が数日で塩化ナトリウムくらいに変化することが出来るなら、原子力を認めたって良い。原子炉の中で泳いで少しくらい飲んじゃっても死なないなら再稼働を応援したって良い。でもそんなことは生きているうちに出来る技術じゃないだろう。完成していない技術、未熟な操作作業員、隠蔽体質、こんな状態で安全だなんて、秦の趙高の「鹿を指して馬と為す」だ。
誰か計算の得意な人、今の汚染水タンクをどれだけ作れば全ての汚染水をストックできるのか?汚染水タンクは何年で日本を埋め尽くすのか?何年で汚染水タンクの制作費が国家予算を超えるのか、計算して欲しい。
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2013/08/07

オリバー・ストーンが語る「もうひとつのアメリカ史」

今は亡き僕の親父は「風立ちぬ」ではないが、紫電改の一部を設計した。戦争に何を思っていたかあまり話した事は無いが、「トルーマン回顧録」全2巻がが枕元に置いてあった記憶がある。
飛行機の資料はあっても、この手のものは他になく、今となってはなぜ親父がこの本を持っていたのか謎だった。
僕は常々「軍産複合体」みたいなものがあるから、世界は一向に戦争がなくならないと思っていた。むしろ戦争がなくなりそうになったら、火種を作っていく役割になっているのではと思うほどだ。
トルーマンはまさにこれが生まれた時代の政権だ。原爆のゴーサインも彼が出した。ここからアメリカは変わっていく。

僕自身全部を観ていないが、これを観て「日本は被害者だ!」とか思う以前に、日本は今でもこの「軍産複合体」の一部に荷担していることを重く見なくてはならないと思う。
起こす必要のない朝鮮戦争、冷戦、ベトナム戦争、イラク戦争、日本はこれらの戦争で大きな利益を得ている。そしてアメリカの意見に対し尻尾を振って間違っていると思っても賛同する。
そして間もなく多くの楽器の故郷であるイランを巻き込まんとしている。

何を思うかそれぞれの見方次第であるが、日本はともかく、アメリカでこういう映画を作ることが出来るのも、実にアメリカらしい。多くの人に観てもらい、一度大いに考えて欲しい作品である。

オンデマンドでも観られますよ。(本も出ています↓)
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2013/07/15

BSフジ・プライムニュース「待機児童ゼロを実現」?

5/15放送・BSフジ・プライムニュース「待機児童ゼロを実現 横浜市長」で・林文子横浜市長と、ロバの音楽座結成以来の知人である共励保育園の長田安司理事長が、生番組で約1時間半討論をされた。安倍内閣までが「横浜方式に続け」と言っている中、全面的にそれで良いのかと異を唱える形となった。
確かに保育園に入れられない子供たちを持つ全国のお母さんにとって横浜は快挙であった。
企業家の出である林市長は、とにかく法制度以上に現実的な方法を取り、女性が働きやすい環境をいち早く作るべきと言うが、長田さんは特に0〜3歳までの小さな子が簡単に親から離れて、長時間保育園に預けられるそのこと自体を問題視している。
諸外国の事情と違って、日本は公務員でもない限り3年も子育て休暇を取れない。安倍内閣は3年間の有給産休を打ち出してはいるものの(これは評価できるが)、むしろ日本の企業自体がそれを許さない。ただでさえ女性の管理職の少ない日本に、働きたい女性には向かない国家の構造となっている。
子どもを産んだら早く預けて長く時間をかけて働きたい。そうしなければ生活もできない。キャリアや技術者であればなおさらのこと。だがよく考えてみると、0〜3歳のこの大事な時期に十分な愛情を注げば、その情報量の分だけ愛情豊かな人格が形成される。英才や知育教育までする必要は無いと思うが、花に水や日光を上手に与えるような感覚で子供たちの感性は育っていく。我々(ロバ)も0〜3歳のコンサートを良くやるから、この時期、音楽を聴かせ得るとこがどれだけの心の栄養素になっているかよく解っている。
逆にこの時期に親の手から離れた時間が長いほど子どもにとってストレスで、情緒不安定であり非行に走るケースが多くなるのは、学会の論文を持ち出すまでもない。

昔は子どもが多くても核家族でもないし、近所の付き合いも多く、結構社会の中の役割の流れがあり、保育園や幼稚園がそんなに無く経済的に大変な時代でも上手くやって行けた。今、都会は核家族で、個人主義で、隣が何をする人か解らない場合も多い。
僕は今回の議論を見ていて、今の社会のあり方、人間関係、仕事中心の生き方、これらの中に人が忘れてきた多くのものがあり、その忘れ物の先に子供たちが置き去りにされている感がある。
自民党も「日本を取り戻す」というなら、この事自体を取り戻して欲しい。まあもちろん何年も積み重ねたそれぞれの人の生き方に対して強制力などあるはずが無いが、少しでもそんな視点に気づいてもらうような働きかけは出来るだろう。
産休を含めて、ここに良い意味でのお金をかけることで、感性の優れた子供たちを多く輩出し、未来を明るくする事となるはずだ。これこそ大いなる国益では無いのか。

(長田さん。話は本題から少しずれてしまったかも知れませんが、映像を見せてもらった僕の率直な感想です。ありがとうございました。)

長田さんのBSフジ・プライムニュースに関するブログページはこちらです。
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2013/03/20

イラク戦争開戦から10年

イラク戦争開戦から10年経って、当時官房長官だった福田康夫氏のインタビューが朝日新聞に載っていた。
とにかく何が何でも日米関係を崩さないことが全てだった。大量殺戮兵器があるかどうかは日本の持つ情報ではわからない。どうせ支持をするしかないなら早いほうが良い・・・という政治判断で開戦支持表明をしたようだ。フランスやドイツが反対する中、国連安保理決議を全会一致で出すように奔走した。
これって、関ヶ原開戦前の徳川家康に対する、山内一豊のとった行動と同じだ。真っ先に「何を置いてもお味方します」と言って他の武将も追従する空気を作り、それによって土佐一国の主にまで上り詰めることとなる。

僕がアメリカ批判をするのはあくまで国政としてのアメリカだが、アメリカと徳川の大きな違いは、武器商人と軍備縮小を目指した者の違いだ。日本はまがいなりにも250年近く安定した時代が訪れたが、アメリカは何処かで紛争が起こっていないとやっていけない国だ。
紛争が起こって得をするのは武器を作っている国だ。緊張が高まるだけで武器は売れる。戦争の出来ない日本の場合は軍事力とセットでアメリカに護られている図式となる。TPPのような明らかに損をすることが解っていてその中に参加する事を表明するのも、アメリカ無しではやっていけないからだ(と、安倍内閣は思っている)
自力では手を出せない中、北朝のミサイル、尖閣や竹島、様々な脅威の中で日本は悪魔の言うことに従わざるを得ない。これらがヒートするほど得をするのはアメリカだ。裏で手を回しているのかとさえ思う。この事がとてもイライラさせる原因となる。
いっそのことアメリカ無しで自立してしまえばと思うこともある。しかし外交駆け引きの下手な日本では強大な軍事力を持たなくてはならなくなる。一番お金をかけない軍事力となれば核保有しか無くなってくる。とんでもない事態であるが、結局価値観の持って行き方次第で、その意見が主流を占めることすら可能性がある。

年賀冒頭に「色々つっこみどころ満載の世の中だけど・・・」と書いたのは、「そんなあほな」とツッこむところはいくらでも言えるのに、「こうすればいいじゃん」という解決策、代案、そういったものが何一つ浮かんでこない。将棋で言えば詰まれたような感覚だ。いまこのもやもや感に押しつぶされそうで、楽しいはずの毎日が苦しくてたまらない。
こういった事を阿呆な僕より頭の良い日本人は沢山いるはずだから、切磋琢磨してこの不条理な現実を打開して欲しい。

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2012/09/22

国家とヤクザ

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前にも何度か書いたことがあるが、国はヤクザの一家と同じである。
国は政府であり、国民は政府に護られている。
つまりヤクザ一家の縄張りの中にいるのが一般人=国民であり、国民はヤクザの抗争には関心がない。
ただ一般人はヤクザに護ってもらうための上納金を納めている。
よそ者がシマを荒らした時には、出て行って命のやりとりもある。
何度も言うが、一般人にはヤクザの抗争には興味はない。
それでも何かもめ事があると、ヤクザの助けを求めることがある。
やくざはなめられたら終わりである。別の組の傘下になることとなる。

興味のない一般人を抗争に巻き込む方法がある。危機を煽って共通の敵を意識させることだ。まさに今の中国だ。
ヤクザは面子が立たなければやっていけない。やっつけなければいけない敵がはっきりすれば一般人とヤクザは手を結ぶ。これが尖閣問題だ。

国もヤクザも面子で動く。面子が立たなければ全面戦争となる。さすがにそれは避けたい。だから一般人をけしかけ、それを調停する側にまわる。それで面子はたつ。

だから、一般人はヤクザの面子のために振り回される。日本の政府=ヤクザは弱いため、そこまで一般人を巻き込めない。幸いにもそのおかげで抗争に至らない。
一般人=日本人は一切抗争には興味がない。かといって自分たちの国や郷土に愛がないわけではない。
なぜなら反日のデモは数日で終わるが、原発のデモは終わる気配はない。これは国が汚れれば何処かに行けば良いと思っているわけでは無い、大いなる証拠となる。一党支配と民主主義の違いだと言って良い。これは国民の優劣を行っているのではない。政府=ヤクザ同士の話をしているのだ。

日本と中国の一般人は、冷静になってみればたかだか島の一つで命のやり取りなんぞしたくない。ただ政府の面子は絶対に譲ることもなければ話し合いになる事もない。それはパレスチナとイスラエルを見れば解るとおりだ。最後は宗教なんか関係ない。ただの領土問題で殺し合いの喧嘩をしている。

一般人なら普通なら話し合いから始まり、よほどのことがない限り話し合いで終わるはずだろう。面子を気にする体質が変わらない限り争いはなくならない。
こういった国家の中のヤクザ体質をなくす方法を見つけない限り、一般人にとっての平和は訪れない。

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2011/12/16

イランの経済制裁

僕の愛する楽器「サントゥール」はイラン生まれの楽器だ。
イラン=ペルシャは歴史的に初めてキュロスやダイオレスによる、「徳」によって政治をする意味での「王道」を築いたものだ。僕が勝手に多くの楽器の発明者として尊敬するマギの故郷であり、ギリシャ文化の真の継承者でもあり、アラビア文化の元にもなった賢者の集まりであり、その一部の力を得て西洋文化が生まれたと行って過言でない。
Darius

アメリカはこの賢者の子孫である国に因縁をつけて経済制裁を強化させ、日本にも大きな影響が出るという。だいたい核兵器疑惑のあるだけで、核兵器を確実に持っているイスラエルを差し置いて経済制裁を受けなきゃならんのだ。パキスタンの関係が上手くいかなくなると問題をすり替えてくる。以前クリントンの浮気がばれた時、数日後くらいにアフガニスタンやスーダンにミサイルを撃ち込んで人気を取り戻したという記憶が蘇ってきた。

確かにアメリカは中国や北朝鮮と違って、民主主義であり資本主義の元の自由競争であり、言論の自由もある。しかし自由競争は戦争産業も大統領選挙も含まれている。
同盟なんか関係ない。アメリカは自国が得になる事しかやらない。韓国のビジネス界にもイランと付き合うなと圧力をかけたと言うが、日本にも同じように来るだろう。自国の事しか考えないアメリカなら、案外誰も近づかない中で裏で取引を行うくらいの芸当を簡単にやってのけるだろう。

もめ事を起こしたくはないが、僕に楽器を与えてくれた友人が痛めつけられているのを見過ごす事は出来ない。誰だってそういうモンじゃないのかな?
結局のところ政治や経済がおかしいだけなのだが、一般アメリカ人だって良識も文化もあるはずだ。おかしい事はおかしいとちゃんと言って世論を変えていけないだろうか?


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2011/10/23

核武装

Yasukuniron小林よしのり氏の「戦争論」や「靖國論」「国防論」等いろいろ読ませてもらった。オーム真理教追求の頃から一般的に足を踏み入れたくない領域に切り込んでいって、何に遠慮することなく自由に見聞きして感じた事を意のままに書く。こういった視点の違う角度から様々な出来事を見る事は重要で、僕自身との考えや解釈の違いはあれど、何にでも立ち向かっていく姿勢は評価すべきと思う。
実際に僕が知らなかった事も沢山あるし、共感できる事も沢山ある。A級戦犯についても誰も触れたがらなかった部分だろうが、世間一般から言われる悪者であってもその生き方と言い分と論理があり、結局この部分を知らなければ同じように歴史は繰り返すのであろう。それは戦争という者の本質を知る上でとても重要な気がする。

またアメリカ流の個人主義が当たり前の現代において、かなり失われつつある「公」の観念について再認識させられる若者も多いと思う。人に迷惑さえかけなければどんな生き方をしたって良いという感覚は今の親の世代が持っていて、学校がどんな状態になっているか誰もが知るところだと思う。これは現段階で道徳の授業で教えられる事ではなく、小林よしのり氏のような役割の人間は必要だと思う。

この小林よしのり氏の考え方でどうしても受け入れがたい事がある。
核武装の事だ。

小林氏だけでなく日本の知識人、政治家の中で如何に核武装論者が多いか、以外に知られていないのではないか。→
確かに国を護る事は民間レベルでは護れない。それは街の治安が警察が居ないと守れないのと同じで、ヤクザの抗争に商店街が一致団結してどうにかなるものではない。みんなが良識があると信じていても、いざモメたら皆殺しになる可能性もある。
敵が銃を持っているなら、更に強力な武器で対抗するしかない。敵が手榴弾で対抗してきたらダイナマイトを仕掛けるしかない。敵が大砲を持っているならミサイルを持つしかない。
結局どちらも手の出しようがないとこまで来て、均衡がとれて平和になろうというのが核武装の発想だ。

僕は原子力爆弾だからどうだとか、放射能がどうとかだけで反対するのではない。それが細菌兵器だろうが、毒ガスだろうが、クリーン水素爆弾だろうが、地球規模の殺戮兵器はもうすでに種の保存の本能から逸脱している。最終兵器そのものが人間どころか地球そのものすべての生態と環境を滅ぼしてしまうということは、映画「地球が停止する日」に出てくる宇宙人に「自分は地球を護りに来た。だから人間を滅ぼす」と言われたってしょうがない。
最終兵器の考え方はすでに石原完爾が戦前から予言するように言っていた事だが、2国間の均衡したパワーの中でのバランスなら良いが、結局盾と矛の関係は無限にインフレーションを起こすのであり、結局の所お金さえ払えばどんな国でも地球全体を脅す事が可能となる。

Afirika
筒井康隆氏に「アフリカの爆弾」というやはり漫画にもなった小説があるのだが、アフリカの小さな国が中古のギガトン級のミサイルを某国から買って帰るその珍道中を描いたものだ。
このクラスになると燃料も飛ぶ機能もついていない。つまり一発で地球全部が吹っ飛んでしまうので、飛ばしても意味はないのだ。

これは世界中の誰もが人質に取られたのと同じで、北朝鮮のような国が持てば「お金くれないとスイッチ押すよ。」と言われたら逆らえないのだ。こうなったら地球滅亡まで、誰かが自暴自棄になるまでの猶予しかない。これはもう戦争ではない。女にふられた男が飛行機で爆弾を抱えて「みんな道連れで死んでやる」と言っているのと変わらない。核武装はそんな事の前段階に過ぎない。

こうは言ったものの、国防的に観ればこれをどう回避するのかは解らない。
強いて言えば、少なくとも国連を越えた世界規模の政治化学機関を作り、金融から戦争を含めたそれぞれの国の同行と未来をシミュレートする、どの国からも中立な立場の人間が、新たな国際法を設定する事くらいは必要かと思う。どの国の国籍も持たず、いわば宇宙人的な視点で思考し、最終兵器の無力化にあらゆる角度から向かっていく、そんな人たちの集合体が欲しい。
最終兵器をどうしても持つという自分勝手な国があれば徹底的に議論し論破し、最終兵器を持った場合の地球の行く末をシミュレーションした結果を見せると良い。どうすれば国を豊かにするのか、解りやすく道を示すと共に。

ヤクザの大親分のような圧倒的な軍事力を持つアメリカ自体が王道精神を持った立派な国であれば、本来こんな役割は各国がお金を出しても調停役に廻ってもらい、それでカタがつくものなら世界情勢の安定化に努めて欲しいものだ。しかし現実は軍事産業国家であり、自国の選挙戦の都合でパレスチナの国連加盟承認を反故にしてしまうような、世界戦争の火種を作っている国でしかない。

いづれにしても、核武装や最終兵器の議論をもっとすべきだと思う。「そんな事は議論の余地もない」とはなっから取り上げない話を良く聞くが、「議論の余地無し」はファッショと同じで問題の解決にはならないと思う。論理のないただの毛嫌いは、案外簡単に反対意見側に着いてしまうものである。
持ったらどうなっていくのか、持たないで威信を保つ方法があるか、地球の存亡、日本の存亡に関して、もっと国の予算を裂いてでも考えるべきではないのか。

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2011/09/02

石巻に行ってみた

律子の実家が秋田県の湯沢で、義父義母の元気な顔を拝みに行った。その帰り、初めて被災地に寄ってみた。
復興の一番遅れていそうな町が石巻あたりだと聞いた事がある。何の情報もなく、3時間回り道をして行ってみた。

工場など資金があってライフラインに繋がるような建物は復興が早い。しかしもうすぐ震災から半年が経とうとしているのに、未だに手つかずの家が多い。
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まったく壊れたあと触れてもいないような家が何軒もある。家族全員流されてしまったか?見捨てて新天地を求めて出て行ったか?避難所生活か?とにかくそのままである。
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福島県も岩手県も避難所生活者はここに来て全ていなくなったというのに、宮城県は避難所がまだある。小学校に無数の自転車がきれいに並んでいて、テントがいたる所に張られている。もう半年になるというのに。(仮設住宅の設置場所と折り合いがつかないという話もある)
驚いた事にこれだけ交通量が多いのに、信号機が故障しているままだ。いや、電気が通っていないのか?傾いた信号機に修理の形跡はない。各交差点を警察が交通整理をしている。半年も交通整理をしているなら、警察に電気工事のノウハウを覚えてもらって、修理してもらった方が復興は早いのに。
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北上川の河口辺りは水がもう縁きりいっぱいで、ちょっとの事であふれ出しそうだ。地盤が下がってしまった事が原因なのだろうが、こうなるとなかなかこの場所に帰ってくる気になれないのかも知れない。

もう半年になるのに、菅直人は何をやって来たのだろう。僅かながらでも寄付したお金はちゃんと復興の資金になったのだろうか?官僚達も指示がなければ動けないだろうし、適切な所に政府と連絡を取るパイプ役を設けなかった所為もあるだろう。この時期になった首相が無能である事は、大東亜戦争で多くの日本人を死なせてしまった上層部の罪に勝るとも劣らない。

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そう思う最中、野田新内閣が発足した。色々言われているが、少なくとも候補者の演説の中では最も熱く語り、説得力もあった。
秀吉ではないが、人さえ説得できれば何とかやっていける。劉邦のように自分が何も出来ないから人の力に頼るでも良い。菅直人のように一人で抱え込んだり、閉じこもったりしては何の解決にもならない。政策どうこうは二の次でまずはちゃんと動いてくれるかどうかだ。

取りあえず新しい政治に期待したい。いや、しばらくはこれで行く以上、希望を持つしかないでしょう。うだうだ文句を言ったり懐疑的になる前に、良くなるためにやると言っているんだから見守って応援するしかないでしょう。つまらない事で足の引っ張り合いだけはやめて欲しい。

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