音楽
2016/06/27
2016/03/29
声とプサルテリー等によるCD「KODTODAMA」
声とプサルテリーなどの撥弦楽器によるCD "KOTODAMA 琴霊"を自主レーベルで作りました。
古代日本で言葉に宿るとされていた霊力を言霊(ことだま)と呼んでいました。僕は本来は「言」でなく「琴」の文字を宛てていたと勝手に思っています。琴は元々呪術に使われたことから、心の共鳴弦である琴線に直接心に響く有効な手段だったのでしょう。また「琴」は大気圏を越える程の世界樹から作られるという伝説があるくらいで、古代人は琴を介して宇宙と交信したかったという事が伺えます。
言語以前である「琴霊」には造語の霊界語、宇宙語、宇宙音名、暗号、スキャットなど、少なくとも人の言葉として成り立っていないもので構成しました。
HPには試聴、プロモーションイメージVideoなど用意しています。ぜひ覗いてみてください。iTunesからもダウンロード可能です。
プロモーションイメージVideoも作りました。Video Blocksの素材を使っていますが、imageの近いものを組み合わせてみました。
2014/11/04
秋田県湯沢市での国民文化祭出演
律子の故郷、秋田県湯沢市での国民文化祭、律子他4人のソリストと、高校生と一般の2つのブラオケ、120人の有志からなる合唱団。今日の秋田の新聞にも載り、その大まかな様子が解ると思います。10/6のFB投稿に載せたように、律子のソロ「Ombra mai fu(Largo)」の所でだけに僕がプサルテリー伴奏しました。出番が少ないので、合唱団の男が少ないと聞きそれにも参加しました(楽譜にかじりついて歌っている僕を探してみて下さい)。合唱の入る「大いなる秋田」はまるで岸和田の楽車のように、それを歌いに帰ってくる人が多く、今回この舞台に律子の妹2人と婿2人(僕も入れて)、つまり湯沢の実家の家族5人がこの舞台に同時に乗っているのです。
今までこういう市民文化祭規模の大ホールでの演奏会は、演奏者の親戚や子どもが多く来たりして、会場がいつもざわついているというのが常だと思っていたのですが、それは非道い思い違いでした。 3時間半に渡る長丁場の演奏会を、全員が最後まで音に聴き入り、マナーも正しく鳴り止まぬ拍手、アンコールには観客全員が立ち上がって心がひとつとなり県民歌を歌い、観客・演奏者全員が音楽に酔いしれて帰るという、それは今までに経験したことのない美しい光景でした。
2013/08/23
プサルテリーの生即興演奏動画
独自の演奏法なので一般にPsalteryを演奏される方の参考にならないかも知れませんが、この楽器のすばらしさを知ってもらいたくてアップしました。
このとめどない即興をすでに何時間も録音してあります。いづれこの楽器のSolo CDを作ってまとめたいと思っていますが・・・。
Luteはもっと人間的だし、Sazはお祭り、Santurはどこか寄せ付けない愛、弥勒を感じさせます。そんな楽器たちの個性の中で、Psalteryは僕にとってこれなのです。
2013/05/13
谷川俊太郎さん+賢作さんを迎えたロバライブ
10周年を迎えた5月5日の谷川俊太郎さん+賢作さんを迎えたロバライブ「ことばとあそぶ おととあそぶ」は、本当に幸せに満ちたひとときだった。
俊太郎さんの詩を改めて思うのは、言葉の中で人も愛も宇宙も虫もうんこもおっぱいも100億年前も後も、全部同じ土俵に揚げられることだ。「生きる」の様な気高い詩に「それはミニスカート」と言ってもいやらしくならないし、「幸小校歌」のように「みんなで仲良く力を合わせる」なんてまるで子どもの素直なそのままの言葉だ。読む人はまず意表を突かれ、この大きな距離を埋めるために想像力をかき立たされる。すでに作者の姿は消えて、結果的にそこに読み手の思いや映像を映し出し、共鳴し心を打つ。
音の世界もこんな風に自由なアプローチを目指したい。
2013/03/02
「こころ音(ね)うたアクト」の参加作品集CD Vol.2
JASRACの会員・信託者が東日本大震災で被災された方々の心の支援を願う「こころ音(ね)うたアクト」に「宙の囁き」の「あいたい」を昨年、参加させました。この著作料は、被災地の復興支援に充てられます。
この活動の参加作品集CD Vol.2が作られ、これに載りました。な、なんと2枚組のトップに出ているではありませんか(^_^)v
やはり曲が良いからかなあと、気をよくしていたら和婆が「アイウエオ順じゃないの?」と言われ、確かにその通り!まだ呆けちゃいない。
でも最初であることはラッキー!全部聞くのは大変だし。HP上でも公開しています。
http://www.jasrac.or.jp/kokorone/act_list_01.html
CD「宙の囁き」の売上げの一部も被災地に行くのでよろしくお願いします。
2012/08/27
New CD「宙の囁き Sora no Sasayaki」Vocal:上野律子 9月7日発売
デザイナーの藤島祥枝さんが歌のための詩作を始め、上野哲生がそれに曲を付け、上野律子が歌い録音をし、更に上野の作品を加え、ゆっくりとしたペースで曲が増え続けました。
アルバムのタイトル「宙の囁き」は、私たちが宇宙の中の地球に奇跡的に生きていること、その星の中で様々な天変地異を経験するということ、その命というものは宇宙のどこから来て何処に去っていくのかということ、その短い一生の中で何を感じ何を視るのかということ、そんなことが全体の主題となっているとの認識を深める中で、藤島さんからこのタイトルが出て来ました。
一つ一つの作品はとてもメロディアスでありますが、歌や詩の趣が特にプサルテリーやリュート等の甘美な撥弦楽器を多用することで、更に幽玄の中に溶け込んでいったと思っています。
ぜひ多くの人に聴いていただきたいというのが願いであります。
タイトル「宙の囁き Sora no Sasayaki」
歌;上野律子 詞・曲・演奏:上野哲生 詞・アルバムデザイン:藤島祥枝
MAG-003 税込価格2,100円 9月7日発売予定
以下のページから視聴、購入が出来ます。
http://magi.o.oo7.jp/
2012/08/14
32年目の「ロバの学校」と30周年の「ロバの音楽座」
今年で32回を迎えた「ロバの学校」は天気に恵まれ、静かで幽玄なロバ祭と、子どもも大人も誰もが手を動かし、積極的で傍観者にはならない、力みのない素敵な合宿となりました。
今年はロバの音楽座が結成30周年で、ロバの学校はさらにその2年前から始めたことになります。20代の終わりからずっとやっていたわけで、さすがにロバの学校の若いスタッフたちからは、体調、体力的にいつ出来なくなってもおかしくないと心配されます。
確かに公演活動も搬入搬出・舞台仕込・打合せ・運転など全て自分らの手でやっていて体力的に大変ですが、ロバの学校はそれ以上の得体の知れないエネルギーを使います。僕に関して言えば、公演で子どもたちを巻き込むことは出来ても、数人の子どもたちの意見を聞いて何かそこから創作的なものを引き出していく作業は、歳を重ねても年にたった数日の出来事なので慣れることはありません。
身体はどこも悪いところがないし、体力は昔と同じように使いますが、年々回復力が落ちているのは確かです。それなりの身体の動かし方になっていくのでしょう。
ちょうどオリンピックの閉会式に「ザ・フー」が出て来て(まだ活動していたとは!)、もう67才になるであろうピート・タウンゼントは、相変わらず腕を振り回してギターを弾いてました。彼らはもう少しで結成50年になるはずです。
アクションバンドの彼らも終わってへとへとになっているのか知れません。「ロバの音楽座」の舞台も「ロバの学校」も動き回ります。そんなときに体力の衰えを微塵にも感じさせてはいけないと思っています。
青山のVACANTと言うところで、大規模ではありませんが、ロバの音楽座が結成30周年記念コンサートがあります。先日はここでガリュウーさんの娘=ののほのいるバンド「ショピン」の素晴らしいライブがありました。同じ場所で我々があと何年一線でやっていけるか、世代交代なのか、どうかご見分下さい。
http://www.roba-house.com/live.html#vacant
2012/07/01
オータムコンサート2012 山下洋輔 in 下関 guest 桑原英子
オータムコンサート2012 山下洋輔 in 下関 guest 桑原英子
9/21 19:00~下関生涯学習プラザ大ホール
溝上先生の没後10年という流れがあり、この演奏会に「風のめばえ」という作品で参加します。藤島祥枝さんに詩をお願いして曲を付け、山下さんにはかなり自由にやってもらおうという作品です。かつて何度も山下さんの編曲をして、得意技をよく知っているからこそ出来る作品だと自負しています。でもこの作品は密度として詩が20%、曲の素材が10%で、残り70%は山下さんと桑原さんが作り上げるような余白の多い作品です。クラシックの仮面をかぶったジャズと思って下さい。
9/21当日は僕自身はロバの公演で、皮肉なことに本州で下関から最も遠い青森にいます。僕は録音で聴けますが、僕のためだけではなく、是非とも東京でも他の土地でも再演して欲しいです。どれも全部違うでしょうけれど。
主催:山下洋輔オータムコンサート実行委員会(田辺容子)
チケット:ローソン0570-084-006(Lコード61370)
S席=4,500円 A席=3.500円 高校生以下2.500円
チラシのPDF
http://www.scpf.jp/home/pdf/20120921yamashita.pdf
2012/04/22
25年ぶりの「ラプソディ・イン・ブルー」
1980年代にずいぶん山下洋輔さんのオケアレンジを任された。山下さんとオケが対決するためには、原曲をなぞるだけではオケが目立たない。山下さんもやりにくい。オケが山下さんにちょっかいを出して、しかも山下さんが自由に乗ってくるような仕掛けを作らなくてはならない。
当時、すでにPCで楽譜を書き始めていたので、パートの移行や移調が楽だった。そのため同じ「ラプソディ・イン・ブルー」でも1管編成から弦のみ、弦管4人づつ等バリエーションがあり、山下さん関係で家にあるスコアだけでも20cm以上積み上げてある。
ただ、シリーズが終わると再演される事はほとんどなかった。
山下さんからメールがあり、この中の「ストリングスのみのラプソディ…」を25年ぶりに再演するというので、昨日、演奏会場の神奈川県の二宮町まで聴きに行った。
このアンサンブル ラディアントのコンマス=白井英治さんは、当時このラプソディをサントリーホールでオケの一人として演奏している。それがあまりに面白かったらしく、自分のオケで山下さんを迎えこれを演奏することが夢だった。
まさしくこの夢を叶えるための演奏会だったようで、演奏の前に白井さんと山下さんはこれに至る経緯を説明しだした。
いやあ驚いた。ガーシュインを差し置いて、こんなにアレンジとアレンジャー本人の事にスポットを当ててくれた事は今までなかった。「この僕の後輩である上野君のアレンジは素晴らしいのだが、すごいのはお構いなしに自分の曲を中に入れてくる。もちろんそういうことは大歓迎だ。しかも中には図形譜や象形文字まで入ってくる事もある」と、実に嬉しい解説が入る。
僕としてはただめちゃくちゃにやるだけの混沌は避けたく、事実、別な曲には、落語の喧嘩の台詞をそのまま楽譜にして音にさせる事もあった。
山下さんの演奏のすばらしさは言うまでもないが、(おそらく白井さんの当時味わった感覚を自分なりにイメージした結果だと思うが、)最初の静けさから最後に至までのテンションの上がり方が、あたかも冒険スペクタクルでも味わっているほどに興奮してしまった。
僕としてはガーシュインではない別な音楽語法の異物を次々ぶつける事で、シュールリアリズム的な化学反応がはじまり、ソナタなどより何十倍も面白い展開部となって宇宙にまで飛び出したような所まで行のく。そしてそこからちゃんとニューヨークのガーシュインに戻ってくる所で感動のラストを迎える。そんなストーリーを特に白井さんが理解しているからこそ、会場全体が感動に結びついたと思う。
このコンサート、591名のキャパが2ヶ月前から満席でsold out。近くに住む後輩で山下さんとも共演している笙の演奏家=東野珠実さんも、特に山下さんと僕のコラボが聴きたいのにチケットが買えず、マネージャーの村松さんに頼み込んで補助椅子を通路に出してもらう程だった。
東野さんにも村松さんにもこのアレンジをとても賞賛していただけたことは嬉しかった。
四半世紀前の自分の中の消えそうな軌跡が蘇り、なおも新たな輝きを見たという最高の一日だった。
より以前の記事一覧
- 夫婦それぞれの演奏会のご案内 2011.09.17
- 憂い尽きぬ日々 2011.05.17
- 二十五絃筝の委嘱作品 2011.01.07
- 音律の話 2010.08.06
- 動く年賀2010 2010.01.04
- 音楽はどこからやってくるか 2009.03.20
- いきものたちの哀歌 2008.11.24
- ジョルジュ・ビゼーについて 2008.07.28
- ビートルズの秘密 2008.06.26
最近のコメント